NISAをこれから始める人のための注意点※焦りは禁物
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こんにちは、投資家・トレーダー・フリーランスエンジニアの祐です。
「NISAのことまだよくわからないけど、とりあえず始めたほうがいんだよなぁ?」
NISAをきっかけに投資に、興味を持つ人が増えたことはとてもいいこと。ですが投資の手法やリスク、注意点もろもろまでの学びがあってこそ、成功する=利益が出ます。利益が出ないのであれば、非課税もなにもありません。
NISA制度を理解することで、投資のリスクを考えながら、自分のイメージする運用スタイルにNISAをどうやって活用していくかを解説していきます。
この記事は誰におすすめ
- これからNISAを始める人。
- つみたてNISAを検討している人。
- NISAとつみたてNISA、自分はどっちなのか知りたい人。
この記事の内容
NISAをこれから始める人のための注意点。
まずはNISAとつみたてNISAの違いを把握してから、注意点を観ていきましょう。
NISA | つみたてNISA | |
年間の投資上限額 | 120万円 | 40万円 |
非課税となる期間 | 5年間 | 20年間 |
トータルの投資上限額 | 600万円 | 800万円 |
新規口座開設期間 | 2023年まで (2024年から新NISA) | 2042年まで |
購入できる商品 | 株・投資信託・ETF・REIT | 国が定めた基準を満たす投資信託・ETF |
購入方法 | 一括・積立 | 積立 |
注意点その1:「100円からはじめられる」に飛びついてはいけない。
各金融機関がよく、「100円からはじめられる」という言葉を宣伝にうたっています。通常の投資であれば、気軽に100円から始めてみるのでも全然ありだと思います。
ですがNISAにおいては、“利益を非課税にできる”“投資額の上限が決まっている”ことを加味した場合、枠いっぱいまで使い切ることが理想です。
ある程度まとまった金額が用意できている人は通常のNISA口座、「少額から始めたい」という人は33,333円/月を目安としたつみたてNISA。
「いやいや、数百円とか数千円から始めていたいんだけど。」という人は、いったんNISAではなくお試しで投資できる証券会社を各社のポイント投資を攻略!【大手証券会社やお手軽スマホ系も網羅】から選んでみるといいかと思います。
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注意点その2:すでに保有している株の移管はできない。
すでに投資を始めている人向けの注意点です。NISA口座は新規で買い付けたもののみが非課税の対象のため、すでに保有している株を移管することはできません。
通常のNISA口座で個別株投資などを検討している人は、すでに保有していて上昇している銘柄を移管することはできないため、新たに銘柄探しなどをする必要性も出てくるかと思います。
なので、NISAを始める場合は、“先に投資する商品を決めておく”というのも、とても大事なことです。
その年に使いきれなかった分の枠は、次の年には繰り越せません。「NISA口座を開設したものの、値下がりを待っている間にその年が終わってしまった」ということがないように注意してください。
注意点その3:銀行窓口で商品を選んではいけない。
これはNISAに限らない、金融商品全般に通じる注意点となります。銀行の窓口で投資商品をおすすめされても、手を出してはいけません。
窓口でおすすめされる商品は、基本的に信託手数料が高かったり、相手が売りたい(銀行側にメリットがある)商品ばかりです。証券会社も同様のことであり、窓口で口座開設や投資信託を購入するのはおすすめしません。
NISAに関することでいえば、つみたてNISAの対象商品「国が定めた基準を満たす投資信託・ETF」は銀行の窓口ではほんのわずかしか取り扱われていません。選択肢が大幅に減ってしまいますし、特にメリットがありません。
株への投資を始めるのであれば、必ず窓口ではなくネット証券で口座を開設してください。もしまだ証券口座を持っていない人は、つみたてNISAでクレジットカードが利用できる2社がおすすめです。
楽天証券のつみたてNISAに楽天カードを設定すれば楽天ポイントが貯まる上、買い付けに楽天ポイントを利用することも可能です。また、条件さえ満たせば楽天市場でのお買い物時に獲得するポイントがアップするSPUの対象でもあるためおすすめです。
SBI証券に関しては、つみたてNISAに三井住友カードを利用すれば、VポイントとTポイント(SBI証券の投信マイレージ)の二重取りが可能です。
楽天証券もSBI証券も、米国株の投資信託を買う上での人気2トップであるため、自分が多く利用しているクレジットカードやポイントで決めても全然ありだと思います。
ちなみにぼくは楽天証券のクレカ積立はすでに運用中で、SBI証券は口座こそあるものの、まだ三井住友カード(ナンバーレス)を作ったばかりなので、クレカ積立に関しては検討中です。
注意点その4:トータルの投資上限額だけで決めてはいけない。
「トータルの投資上限額が大きい(800万円)つみたてNISAのほうが得じゃない?」一見そう思ってしまいがちです。
が、もし同じ利回りで運用した場合、利益は投資金額に比例して増えるので、最初から運用資金の大きい通常のNISAのほうが有利といえます。
もちろんその分、マイナスになった場合も投資金額に比例するので、利益とリスクのどちらに重点を置くか、その人の運用スタイル次第となります。
注意点のまとめ
- その1:「100円からはじめられる」に飛びついてはいけない。
→ 枠を使い切ることができるかどうかしっかり検討する。 - その2:すでに保有している株の移管はできない。
→ 新しく購入する銘柄は決めておいたほうがいい。 - その3:銀行窓口で商品を選んではいけない。
→ ネット証券から選ぶ。(おすすめは楽天証券かSBI証券) - その4:トータルの投資上限額だけで決めてはいけない。
→ これから選び方を紹介するので最後までご覧ください。
つみたてNISAの注意点をふまえた対応。
つみたてNISAを検討している人は特に注意点が多いので、改めて特徴を振り返っておきます。
- 年間の投資上限額:40万円
- 購入できる商品:国が定めた基準を満たす投資信託・ETF
- 購入方法:積立
これらを踏まえて解説していきます。
つみたてNISAのメリットに向いた投資スタンスは?
つみたてNISAが自分に合っているかどうかを判断するには、つみたてNISAの本質を理解することが必要です。つみたてNISAの投資上限額いっぱいまで投資していくことを考えた場合、毎月33,333円を積み立てていくことになります。
これはドルコスト平均法という手法と同じであり、毎月同じ金額で買い入れることにより、株価が下がっているときにはたくさんの株数を、株価が上昇しているときには少ない株数を取得します。結果として平均的な価格と株数を取得できるので、リスクを抑えつつ投資していくことが可能となります。
つみたてNISAはこういった特徴から、長期運用が前提であり、短期的な利益を追い求める人には向かないといえます。ちなみに、楽天証券とSBI証券のつみたての設定の違いを紹介しておきます。
- 楽天証券:毎月、毎日
- SBI証券:毎月、毎週、毎日
- 毎月の上限額
40万円÷12ヶ月=33,333円 - 毎週の上限額(SBI証券のみ)
40万円÷52週=7,692円 - 毎日の上限額
40万円÷年間営業日数
(例:2021年の場合)
40万円÷245日=1,632円
つみたて額でぜひイメージしてみてください。投資において重要なことは、生活に支障のない余剰資金で運用するということです。気持ちに余裕がないと利益を伸ばしていくことができません。なので生活ギリギリの資金を投資にあてることは絶対におすすめしません。
NISAは他の口座と損益通算できません。
つみたてNISA口座で購入した株を長期運用すべきもう一つの理由が、通常の口座と損益通算ができない、という点です。NISA・つみたてNISAの口座で発生した損失は税務上ないものとされてしまうため、万一NISA口座でマイナスが発生しても、通常で運用している特定口座や一般口座との損益通算や繰越控除はできません。
つみたてNISAを始めるのであれば、数十年単位の長期投資になることや、利益を短期的に求めないようにすることを心がけておきましょう。
年の途中からでは損?
「年間40万円、月々33,333円までしか投資できないってことは、年の途中から始めたら損なの?」と言う疑問も湧くかもしれませんが、そこは心配いりません。つみたてNISAには増額設定のオプションがあり、年の途中からでも40万円まで投資することが可能になっています。
やり方は証券会社によって異なるのですが、楽天証券の場合は「ボーナス月の設定」、もしくは「増額設定」の2通り。SBI証券の場合は「ボーナス月コース」と「NISA枠ギリギリ注文」の2つを活用する方法です。
それぞれのボーナス月の設定というのは似たようなサービスで、指定した月に残りの枠の範囲内で多く投資できるというものです。楽天証券のみ可能な「増額設定」は、その年の残りの月数、もしくは残りの日数で均等に増額することで、トータルで年間40万円投資できるサービスです。増額分に関しても均等に投資することができるので、個人的におすすめです。
ただ、増額分に関しては、イレギュラーに積み立て額を変更しなければいけない年以外は、初年度のみの話となるため、証券会社選びの理由としてはそこまで優先順位は高くないと思います。
NISAの注意点と対応:まとめ
NISA | つみたてNISA | |
まとまった金額がある | 投資資金 | 月33,333円がちょうどいい |
個別銘柄に興味がある | 商品選び | くわしくわからないので投資信託がいい |
とれる | リスク | 分散したい |
成長株でしっかり | リターン | コツコツ着実に |
成長株であれば数年程度 | リターンを得るスパン | 数十年単位 |
あくまで目安なので、たとえばまとまった金額があるけど投資信託がいい、という場合は通常のNISAでもぜんぜんありだと思います。
ゴールは“非課税”ではなく“投資で利益を得る”ということ。
NISA制度は“非課税”の部分にばかりついつい目がいってしまいますが、そもそもの主役は“株への投資”です。適当に投資したからといって利益が出るわけではありませんし、利益が出ないのであれば非課税の意味はありません。
しっかりと利益を出していくためにも、じっくり時間をかけて投資に関する知識をつけていくことを並行して行っていってください。
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