PayPay証券を利用してみた上でメリット紹介【どんな人向け?】
こんにちは、投資家・トレーダー・フリーランスエンジニアの祐です。
「普段PayPayは利用しているけど、PayPay証券ってどんなメリットがあるんだろう?」
ということで、今回はPayPay証券を実際に利用してみた上で、特徴やメリット・デメリット、PayPay証券を自身の投資にどうやって取り入れていくのがよいか、などについて解説します。
キャッシュレス決済としてのPayPayはすでにたくさんの人が利用しています。ですがPayPay証券はまだ新しいので「気になってはいるけどなかなか。」という人や、「PayPayボーナス運用とはどう違うの?」といった印象を持っている人も多いと思います。
そういった、PayPayを利用しつつ、まだこれから投資を始めるんだよね、という人の参考になれば幸いです。
この記事は誰におすすめ
- PayPay証券に興味がある人。
- PayPayボーナス運用とPayPay証券の違いを知りたい人。
- スマホで手軽に投資を始めたいと思っている人。
この記事の内容
PayPay証券のメリット・デメリット。
まずはPayPay証券の特徴や、メリット・デメリットについて、実際に利用してみた上で感じたことも含めて紹介します。
PayPay証券のメリット。
- 1,000円単位での少額投資が可能。
- 数タップで簡単に買付ができる。
- おいたまま買付サービス。
- 米国株の個別銘柄にも対応。
- 個別銘柄の積立設定ができる。
1,000円単位での少額投資が可能。
株式投資は通常、一部の銘柄を除いて100株単位での取引となるため、基本的には最低でも数万~数万円の資金が必要となります。ですがPayPay証券なら、1,000円単位で資金に応じた数量の取引が可能なため、少額から投資を始めることができます。
また、株数ではなく金額を指定して買い付けるので、資金に応じて株数を計算する必要がありません。「A社の株を1万円分欲しい。」と思ったのであれば、1万円分買い付けて保有することができます。
株を買い付けるにあたっては、ひと手間もふた手間も省かれていて、とても簡単に、そして計画的に買い付けやすくなっているわけです。
数タップで簡単に買付ができる。
投資する銘柄が決まっていて、口座に資金がある(もしくは入金連携されている)状態であれば、本当にたったの数タップで買い付けることができます。
入金元と金額を選択すれば、すぐに買付が可能です。もちろん売る場合もほとんど同様で簡単です。ストレスなく取引できるよう、とてもシンプルに設計されています。
おいたまま買付サービス。
これはPayPay証券ならでは、のめちゃくちゃ便利な機能です。株式投資をする場合、本来であれば自分が利用している銀行から証券口座に資金を移動してから株を買います。
ですがPayPay証券の「おいたまま買付サービス」は、自分が普段利用している銀行に資金を置いたまま株を購入できます。おいたまま買付サービスが利用できる金融機関は下記です。
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- ゆうちょ銀行
- 南都銀行
- d払い(チャージ残高)
- ソフトバンクカード(チャージ残高)
通常、銀行から証券口座に資金を移動する際は、毎回ネットバンキングのセキュリティを解除する手間がある分、おいたまま買付サービスは最初の設定の時のみ認証を行ってしまえば、買付時の認証がなくなるのでめちゃくちゃ楽です。
株を買い付ける時と同様、とにかく面倒な手間を省いてくれていて、便利な印象です。特にd払い残高とソフトバンクカードチャージ残高を利用できる人は、それぞれで各ポイントを貯めることもできるので、大きなメリットとなります。(詳しくは後半で解説。)
米国株の個別銘柄にも対応。
PayPay証券は銘柄数こそ少ないものの、米国株の個別銘柄も買うことができます。もちろん少額から、そして指数連動のETFや投資信託も用意されています。
個別銘柄の積立設定ができる。
PayPay証券の「つみたてロボ貯蓄」アプリを利用すれば、米国株の個別銘柄を自分の決めたタイミング・金額で積立で購入していくことができます。投資信託の自動積立なら他の証券会社でも普通にありますが、米国株の個別銘柄でも可能というのは珍しいといえるでしょう。
少額でかつ、銘柄や買付のタイミングを分散できる積立なので、「すでに投資信託は持っているけれど個別銘柄はハードルが高くて手が出せない」という人におすすめです。
つみたてロボ貯蓄の注意事項としては、いわゆる「ロボアド」とはまったく別物である点を理解しておく必要があります。ロボアドはウェルスナビなどが有名ですが、資金を預けておけば自動で買付やリバランスなどを行ってくれるものです。
対してつみたてロボ貯蓄はそういった機能はなく、あくまで銘柄や金額・買い付けのタイミングを設定し、それが自動で執行されるといった程度のものです。PayPay証券はいまのところ、ロボアドのような機能は用意されていません。
PayPay証券のデメリット。
- 株なのにスプレッドがあります。
- 銘柄の分析は実質できない。
- 銘柄数が圧倒的に少ない。
- 注文は一部を除いて成行のみ。
- 出金手数料は有料。
株なのにスプレッドがあります。
スプレッドは本来FXにおいて発生する、買値と売値の間に生まれる手数料のようなものです。PayPay証券では、株を取引きする際にもスプレッドが発生します。
実際に取引する価格は、基準価格となる株価に対して、買いの場合は0.5%高く、売りの場合は0.5%安くなります。すごくざっくり言ってしまうと、株価1,000円の銘柄を取引する場合、購入時の価格は1,005円、売却時の価格は995円、といった感じです。
たとえば3万円分の株を購入した場合、300円前後のスプレッドを加味して値上がりを狙っていく必要があるので注意してください。
上の画像は、実際に購入してみたあとの画像です。約300円の損失が発生しているところからスタートしています。長期的に保有していくのが目的であれば、特に気にする額ではないと思います。
銘柄の分析は実質できない。
PayPay証券はメリット部分で紹介したように、銘柄選択〜取引までの工程がシンプルかつスピーディーになるよう設計されています。ですが、銘柄を検索・分析するための財務情報や株価チャート等といったものは、一切用意がありません。アプリ内でわかるのは株価のみです。
一応、銘柄の右側にある!マークをタップすると、「企業情報・チャート」という項目はあります。
こちらはブルームバーグのサイトと連動しており、タップすることでブルームバーグのサイト内の銘柄情報を閲覧することは可能です。
ただこのブルームバーグの情報に関しても、チャートは非常に簡素なものであり、財務情報も特に記載がないことから、投資判断を下すのはかなり厳しいと言えるでしょう。
よって、PayPay証券のアプリ内で銘柄スクリーニングや分析を行うことは、実質できません。PayPay証券は、すでに投資対象となる銘柄が決まっていて、「あとは買うのみ」といった状態で利用するのが基本となります。
銘柄数が圧倒的に少ない。
PayPay証券にて取り扱いのある銘柄数は、国内株と米国株、合わせて約200銘柄程度しかありません。
なので先に紹介したとおり、他の証券会社を利用して銘柄スクリーニングをして投資対象となる銘柄を決めたとしても、実際にPayPay証券でその銘柄を購入しようとしても取り扱いがないケースは十分に考えられます。
PayPay証券で取り扱われている銘柄は、基本的には有名大型銘柄のみと持っておいてください。
注文は一部を除いて成行のみ。
注文方法は、成り行き注文のみとなっており、指値注文や極指値注文を設定しておくことができません。
一部、レバレッジをかけて取引することが可能な「PayPay証券 日本株CFD」と「PayPay証券 10倍CFD」アプリであれば、「条件付き決済注文」という機能があり、利益確定のための指値注文のようなものを入れていくおくことはできます。
メインで使っていく通常のPayPay証券アプリでは、利益確定やロスカットの注文を入れておくことができないため、株の買い方や保持の仕方は十分に注意しておく必要があります。
出金手数料は有料。
証券会社から普段自分が利用している銀行へ出金するのに、手数料はかからないのが普通です。ですが、PayPay証券では出勤手数料が発生するので注意してください。
みずほ銀行宛 | みずほ銀行以外宛 | |
3万円未満 | 110円(税込) | 275円(税込) |
3万円以上 | 220円(税込) | 385円(税込) |
また、おいたまま買付サービスに関しても、取引が2万円未満の場合だけ、1回あたり税込110円の手数料が発生します。
PayPayボーナス運用とはココが違う!
最近流行りの“ポイント投資”と“ポイント運用”、一見混同しがちです。ポイント投資は一度商品を購入したら、売却後に帰ってくるのは実際のお金です。一方で、ポイント運用は売却後もポイントとして返ってくるので、「投資の疑似体験」と呼ばれることも多いです。
PayPayのアプリ内にある「ボーナス運用」はポイント運用に該当します。
PayPayボーナス運用は、米国株のS&P500に連動して動くETF「SPY」もしくは「SPXL」(変動率がSPYの役3倍)のどちらかから運用方針を選択するようになっています。
この2つのETFの銘柄は、もちろんPayPay証券にも用意があり、実際のお金で運用することも可能です。PayPayボーナスを使って練習として運用していくか、実際のお金で運用していくかで、PayPay証券とPayPayボーナス運用を使い分けていくと良いでしょう。
現状、ポイント投資にあたるものはなく、また、運用額に応じてPayPayボーナスが貯まったり、といったサービスがないのが残念です。PayPay証券自体がまだまだ新しく、常に驚異的なキャンペーンをやっているPayPayですから、ぜひ今後に期待したいところです。
PayPay証券はアプリごとにメリットが違う。
すでに紹介してきた通り、PayPay証券には一人ひとりのニーズに合わせて、いくつかのアプリが用意されています。
PayPay証券:メインの株アプリ。
- つみたてロボ貯蓄:
米国株個別銘柄を積み立てで購入できる。 - PayPay証券10倍CFD:
日経225もしくは米国500のどちらかを10倍のレバレッジで取引。 - PayPay証券日本株CFD:
対象38銘柄を5倍のレバレッジで取引。空売りも可。 - 誰でもIPO!アプリ:
21年11月現在、稼働してないようです。
メインで使用していくなら、スタンダードなPayPay証券アプリ、もしくはつみたてロボ貯蓄になるでしょう。長期運用が目的で株を購入するのに通常のPayPay証券アプリを利用し、投資対象が米国株でなおかつ積み立てしていきたいのであれば、つみたてロボ貯蓄を利用していくことになります。
大きめのリターンを狙いに行くのであれば、PayPay証券日本株CFDアプリでレバレッジをかけた取引をする、という選択肢になってきますが、短期トレード気味になっていってしまうのでおすすめできません。
ここまで紹介してきた通り、PayPay証券は株価チャートや財務情報の分析がほとんどできずスプレッドもあるため、短期トレードではなく長期でゆったり運用していく方が適しているといえます。これは、PayPay証券10倍CFDにも同様のことがいえます。
PayPay証券のメリットはどんな人向け?
PayPay証券が一体どんな人に向いているのか、ここまでの話をまとめてみましょう。
PayPay証券はどんな人に向いてる?
- 少額から個別株を買いたい人。
- 米国株の個別銘柄投資を手軽に始めたい人。
- 長期でのんびり保持していきたい人。
- d払いやソフトバンクカード経由でポイントを貯めたい人。
d払いやソフトバンクカード残高から「おいたまま買付」を利用できる人は、間接的にdポイントやTポイントを貯めることになるので、お得に利用できます。貯まったポイントは、別の証券会社を利用する手間はかかりますが、ポイント投資に回すことは可能です。
d払い残高 | ソフトバンクカードチャージ残高 | |
ポイント | 間接的にdポイントが貯まる | 間接的にTポイントが貯まる |
ポイント投資先 | 日興フロッギー+docomo | SBI証券 SBIネオモバイル証券 |
このルートを利用できる人は、PayPay証券自体に現状ポイント投資はないものの、結果的に他社を利用してポイント投資と併用した分散投資をしていくことが可能です。
PayPay証券は向いてなさそうな人は?
- スイング・デイトレードをしたい人。
- 銘柄分析できるツールを探している人。
- 分析〜購入で証券会社をわけるのが面倒な人。
- 中型株・小型株投資したい人。
何度も紹介しているとおり、PayPay証券で銘柄分析をすることはほぼ不可能です。なので、銘柄分析をするための別の証券会社と併用して使い分けていく手間が発生します。
その上で、せっかく見つけた銘柄がPayPay証券にない、ということにもなりかねません。そういったことを許容できるかどうかも検討する一つの要素となります。
PayPay証券のメリットを活かして利用していく手順。
PayPay証券のメリットを把握した上で、実際に利用していくおすすめの手順を紹介します。
- ①PayPayボーナス運用で練習。
- ②PayPay証券で取り扱いのある銘柄から
興味のあるものをピックアップ。 - ③他社ツールで個別銘柄分析。
- ④PayPay証券アプリで買付。
- ⑤他社ツールで保有銘柄を分析。
①は抜かしてもいいですが、投資が初めての人はまずは練習してみるのがいいでしょう。その際、意識してみるのは以下の2つ。
- 株価情報を確認することを一日のルーティンにどう取り入れるか。
- ポジションを保持するメンタル。
PayPayボーナス運用は銘柄は2つだけなので、銘柄選びに困ることはありません。塩漬けにならないよう、きちんと一日の中でマーケット情報を確認する時間を作ること。そして、株価の上下で感情が不安定にならないようにコントロールしていくことを意識していってください。
「実際のお金で投資しよう!」となった場合は、いきなり③にとんでしまうと、せっかく見つけた銘柄がPayPay証券では取り扱いがない、といった二度手間になりかねません。
なので、まずは②PayPay証券のアプリから、興味のある銘柄を探してみましょう。そして③です。銘柄検索~分析におすすめの証券会社は2つ。
こちらに関しては、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
【使い方次第!】マネックス証券のメリットを存分に活かす方法。
マネックス証券のメリットを総まとめするとともに、デメリットを補うとしたらどんな方法があるか、より具体的にみ現役トレーダーが解説します。強みが比較的はっきりしている感もある証券会社ですので、良い面を存分に利用して、自分の投資環境を構築していきましょう。
マネックス証券「銘柄スカウター」おすすめの使い方は?
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マーケットスピード2の使い方【株の初心者におすすめな理由】画像付
楽天証券の看板的ツールであるマーケットスピード2のおすすめの使い方を、実際の画像を元に解説します。高機能ツールであるマーケットスピード2を初心者が使いこなすための、銘柄選択~取引までの手順を画像付きで解説します。そのままマネしてOKです。
④で、いよいよ株の購入です。
おいたまま買付であれば、金額だけ入力すれば簡単に購入は完了できます。
ただ、買うのは簡単ですが、問題はその後です。株式投資でもっともむずかしいのが、どうやって保持していくか。いつ利確するのか、といった点です。そのためにも日々しっかりと保持している銘柄をチェックしていきましょう。
メリットをしっかり活かしていく。
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ちなみにPayPay証券はポイントサイトを利用するとお得に口座開設できます。時期によってポイントの変動はありますが、おすすめを2つ紹介しておきます。
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