20%→25%?30%?投資敬遠?増税の影響と対策。

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こんにちは、投資家・トレーダー・フリーランスエンジニアの祐です。

せっかく投資を始めようと思ってたのに...

そうなんです。過去何度か浮上しては消えて、を繰り返している金融所得増税の話が再び持ち上がっています。岸田文雄総理は「当面の間は引き上げない」とはいっているものの、“当面の間”ということはいずれ引き上げることを表しています。

株式投資は分離課税なので約20%が課税されるわけですが、これがそのうち25%、もしくは30%に引き上げられてしまうわけです。

国はNISAやiDeCoの制度を整えるなどして、「貯蓄→投資」を推進してきたのに、ここへきて一体なにがしたいの?といった印象ですが、その背景や、現時点で考えうる対策について観ていきます。

 この記事の内容

投資家への課税強化、増税する背景。

投資家への課税強化、増税する背景。
ここへきて金融所得課税の強化の話が持ち上がったわけですが、なぜ投資家の金融所得に対する課税を強化したいのでしょう。

国は「1億円の壁」をなんとかしたい。

日本では総合所得に累進課税制度をとっているため、稼げば稼ぐほど税金が高くなる仕組みをとっています。

課税所得税率
195万円以下5%
195万円超え、330万円以下10%
330万円を超え、695万円以下20%
695万円超え、900万円以下23%
900万円超え、1,800万円以下33%
1,800万円超え、4000万円以下40%
4000万円超45%

本来であれば富裕層になればなるほど税金も高くなるわけですが、富裕層は税率が一律20%の分離課税となる金融資産を多く持っており、年間所得が1億円を超えてくると税率は逆に下がっていく、というデータが出ています。これが俗にいう「1億円の壁」といわれているものです。

日本はこれまで世界的にも投資にうとい先進国だったため、富裕層ほど税金を納めていないという事実に驚いてしまいがちですが、たとえば米国では昔から当たり前の話。

自分の税金をいかに低く抑えるか、という意識が高く、その手段の一つが金融資産を多く持つことであり、それが結果的に株価の高騰により格差を生むことになっています。

反対に、日本はこれまで 投資 < 貯蓄 だったことにより給与所得のみの人が多かったため、自分の税金に対する意識も低かったわけです。

なので、良くも悪くも「金融所得増税するかもしれない!」というこのタイミングで税金に対する意識を高めておくことが、日本の投資家はもちろん、これから投資を始めよう、という人にも良い機会なのではないかと思います。

そもそも世界的に観てどうなの?

日本の金融所得に対して一律20%という税率は、世界的に観ると、どちらかといえば高い部類となっています。

米国では、保有期間が12ヶ月以下の短期トレードに課される37%+州・地方政府税を除けば、所得額に応じて0%、15%、20%の段階課税制をとっています。

他にも、ドイツフランスでは金融所得に対しての課税は、分離課税と総合課税のどちらか好きな方を選択できるようになっていて、その時の所得額に応じて低く抑えられるようになっています。

そもそも日本の分離課税制度は、海外のように低所得者層や中間層への配慮がなされていないわけです。

結局のところ、金融所得課税だけの話ではない。

総合課税の表を改めて観ていただければわかるとおり、分離課税一律20%というのは、低所得者からすると不利であるとともに、富裕層からすると有利になる設計となっています。

ということは、一律20%の部分を引き上げても格差は埋まりませんし、中間層以下の投資へのハードルがなおさら上がってしまうだけ、という見方もできます。

富裕層から多く徴収することだけに目を向けるのではなく、中間層以下の負担を軽くするためには、海外のように段階課税制の導入や、総合課税との選択制も視野に入れてほしいところです。

増税でも投資を続けていくには?

増税でも投資を続けていくには?
もしこのまま金融所得課税が25%や30%になってしまった場合、どんな投資行動が必要になるか観ていきましょう。

NISAやiDeCoを利用する。

非課税制度はしっかりと利用していきましょう。NISA、つみたてNISA、iDeCoの非課税枠はフル活用していくのがいいでしょう。

  • NISA:年間120万円×5年=600万円
  • つみたてNISA:年間40万円×20年=800万円
  • iDeCo:月額1.2万円~6.8万円
    個人型、企業型など人によって変わります。

これらを活用しても限度はあります。ただ、利用しないよりかは全然いいでしょう。

分配金のない投資信託を選択する。

キャピタルゲイン・インカムゲインの両方に増税が課せられることを考えると、税金をかからないようにする唯一の選択肢は、分配金のない投資信託に投資して、含み益を抱えたままできるだけ利確しないことです。

個別株やETF、分配金のある投資信託はすべて、配当金・分配金が発生し課税対象となります。なので、増税のダメージをできるだけ減らすには、消去法で「分配金のない投資信託に投資して利確しない」という答えが導き出されます。

投資・トレード人口は減る?

ただ、ぼく自身スイングトレーダーの目線から観て、本当に正直なことをいってしまうと、“含み益の出ている株を利確せずに永遠と持ち続ける”ことになんの意味があるんだろう、と思ってしまいます。

それって良くも悪くも無いのと同じことになってしまいますから。投資は生活に支障のない余剰資金で行うのが基本ですから、その面からすると、とてもいいことだとは思います。

ただ、増税分のダメージを考慮したらいつ利確ができるかわからない、という面からすると、なんだか悲しいですね。もちろん配当金がもらえるなら話は変わってきますが。

「なんだったら増税とか気にせず配当金もらったほうがよくない?」と思う人もいるんじゃないでしょうか?

そうなんです。結局のところ、たとえ金融所得増税が行われたとしても、利益がしっかりとれているのであれば、投資行動を変える必要はあまりないんです。キャピタルゲイン・インカムゲインのどちらであろうと、うまくいっている人は変える必要が特にありません。

ぼくの場合も、主軸のスイングトレード、遊びのデイトレード、放置しているETFや投資信託、といったスタンスを変えるつもりはまったくありません。もちろん具体的な増税案が出たらまた変わってくる可能性もありますが。たとえば米国の短期トレード向け37%の課税を導入します、といわれたらさすがに考えます。

なので結果的に、一時的な影響はあったとしても、投資人口が減ったりそれによってバブル崩壊のような暴落が起こることは考えにくいです。金融資産を持つことの必要性は不動なわけですから、そこでまた新たに登場する税金対策などを行っていくような流れになるのではないでしょうか。

加えて努力すべきこと。

金融所得増税のダメージをできる限り軽減する方法としては、収入の分散化をしておくことや、投資に頼らなくても困らないかしこい働き方、ビジネスで求められる人材になることなどが重要です。

もしも抜本的な改善なく一律に金融所得増税があるのであれば、金融以外の所得で富裕層に近づく・仲間入りするのが解決の近道です。その時に備えて、自己投資して自分のスキルを育てたり、副業に力を入れてみるなど、今から行動しておくことがおすすめです。

今から世間に求められるスキルをつけたいと考えているなら、おすすめはITスキルです。誰にでもできるわけではない、でも比較的短い期間で身につけられるスキルがITスキルだからです。

誰にでもできるわけではない、でいえば他にも医者など免許や資格が必要なものはたくさんありますが、年単位で学校に通う必要があったり、試験に合格する必要があったりするものばかりです。

それと比べればITスキルは、仕事をしながらでも数ヶ月で身につけられるのでおすすめです。このような、働き方全般に関する話はプログラミングを学ぶメリットとは【今が最大のチャンスである理由】で掘り下げているので、今の自分の仕事に疑問を感じている人はぜひ読んでみてください。

おまけ:増税を表明したときの株価チャートは?

おまけ:増税を表明したときの株価チャートは?
最後におまけで、岸田内閣が金融所得課税を見直す意向を表明した翌日、10月5日以降の日経平均チャートを観てみましょう。

増税を表明したときの株価チャート
10月5日は空をつけて下落しています。こう見ると、ほんとにチャートって素晴らしい、そして不思議に思いますね。

まるで材料を見越していたかのように、チャートは前日(10月4日)までに下落のサインを出し続けています。チャートは先行して織り込むものなんです。

「偶然なんじゃない?」と思うかもしれませんが、これまでの「○○ショック」のような出来事は、は株価が堅調に上げている時にはあまり出ません。きちんとチャート上で利確サインや買いを手じまっておくサインが出ているので、それらをつかまえておけるかどうかなんです。

そのためには、しっかりとチャート理論を勉強しておくようにしましょう。次の暴落時に逃げておく、さらにはしっかりと空売りで利益を取る練習をしておくことをおすすめします。

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